判断と選択の日々④
20171103-1107
ほのかに口に残った朝食代わりのスターバックスのシナモンロールとアメリカンコーヒーの味が名残惜しいままアジュルンに帰る。
次の日もう一校の新しい学校(高校)へ。自分に合う学校が二校連続で続くワケがないと疑心暗鬼になりながら学校へ向かう。校長、美術の先生に挨拶をする。ここではじめて自分より年下の美術の先生と出会った。そして初めて怒鳴らない学校をみた。(たまには怒鳴るけれど)学校の方針なのか、先生達はうるさい時は手を上げて、それに気づいた生徒が同じように手を上げて静かになるという方法をとっていた。(私がこれをやると何故か笑いが起きる…。日本とシャバーブには通用しないだろうな。)
二日目美術の先生から家庭科の先生を紹介してもらう。どうやらこの二人は友達のようだ。話を聞くと私が来てから付きっきりで寂しかったらしい。おっと今度はこういう問題に巻き込まれるのかと思い、「大丈夫、大丈夫。私は一人で大丈夫だから。」と伝えると美術の先生が「私達はアスディカーイ(友人の複数形)になればいい。」と言った。なるほど。
二人とも年下とは思えないほどしっかりしている。
二人とも二児の母だ。年齢の話になり美術の先生が28歳、家庭科の先生が24歳、私が34歳。ぽつりと一番年下の先生が「みんな一緒だ。」と言った。笑ってしまった。
年齢なんてただの数のカウントだ。
三日目いろんな先生に「サバーフルヘイル」(おはようございます。)と挨拶を交わしていたら家庭科の先生が「オハヨウゴザイマス」と日本語で挨拶してくれた。「何で知ってるの?」と聞いたらちょっと昨日調べて覚えてくれたそうだ。これは嬉しかった。
そのまま美術の先生と一緒に家庭科の授業に参加する。チーズの作り方を生徒と一緒に教えてもらう。
(牛乳をかき混ぜながら煮込みます。)
(ヨーグルトを大さじ2杯くらい入れてかき混ぜているとこんな感じになる。)
(よく分離したら綿布に入れて水分を出す。ひとつまみ塩を入れる。)
(残ったスープも飲むそうです。)
午後は階段のペンキ塗りを皆でやった。ペンキを塗りながら横でやっているバスケットボール(体育の授業)が気になってしょうがない。あんなに弾むボールを見たのは久しぶりだ。前の小学校はパンク状態のボールでサッカーをやっていたし、新しい小学校はボールすらない。ひたすらズンバというダンスを踊っていた。(キャンプには新しいボールがたくさんあると聞いた…。)
ペンキ塗り終了と共にバスケをやっていいか先生に聞いて、やらせてもらう。試合形式になると収拾つかなくなるから自由にやらせてもらった。
帰り際三人で話していたら、おもむろにスマートフォンの画面を見せてきた。そこには「私達はあなたに満足しています。」と翻訳された日本語が書いてあった。
三校とも自分にとっていい学校だ。ここで二校に絞らなければならない。今度は悩みが贅沢な悩みに変わった。