名は体を表す
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大家のバーバに町一番の大きいスーパーマーケット(現地の人はスルパーマーケットと言う)に連れっていってもらう。小さい商店しかないと思ってた自分にとっては充分な品揃えだ。米や調味料、野菜などを買い込む。キッコーマンの醤油がアジュルンにもあって一安心だ。(Y先生へ。まだまだ私は異邦人にはなっていないのです。)
買い物ついでに道を覚えるため職場のアジュルン教育局に寄る。
丁度カウンターパートも居て話をしていたらいろんな人がやってきた。
次々に名前を言ってくるがメモも追いつかないし発音も難しい。(今までで一番覚えられなかった名前はサウドゥッだ。記憶にも口にも残らなくて困った。)
そんなこんなしているとサーラという女性が
「名前は何だ?」
「ヒロミ・コセキ」
「アラブネームは何だ?」
「ヒヤーム」(訓練所時代サフワン先生がつけてくれた。)
「じゃあ今日から君はシューシュだ。」
なんでだよ。なんでなんだよ。
自分につけられた名前が一番忘れそうだ。
なんだか気の抜けた(いや、空気の抜けた)名前だなぁ。
職場ではシューシュだし、大家はヘロミだし。
名は体を表すとはこういうことなんだろうか。
帰り際に体育のスーパーバイザーがやってきて「私の絵を見て。」
と言われたので、ほいほい見に行ったら自分より上手いんじゃなかろうか?という絵を見せられた。やばいなぁ。
一抹の不安を抱きながら本日もとぼとぼと歩いていたら美味しそうな匂いがした。
そーいえばお昼ご飯食べてないなぁと思い店に入った。
テイクアウトのマンサフ屋だった。(マンサフはゴールマズラでも食べたヨルダンの伝統料理)
いろんな種類のご飯、鶏肉の香ばしい匂い、スープの独特な香り。
価格表を見ると一番小さいサイズで3JD(大体480円)だった。
アラブの一番小さいサイズは日本人にとっては2−2.5人分に匹敵すると思う。
メニューを見ながら迷っているとカウンターの外にいた店員が「どうしたんだ?」と聞いてきた。
「一人だからこんなに大きいのじゃなくて半分にして半額にしてくれないか?」
なんとか簡単な単語をつないで話す。
「じゃあオレからのアドバイスだ。このご飯と鶏肉の組み合わせがうまいぞ!」
(ダメだ。全然通じてない。)
「いや、だから半分で1.5JDにして欲しいんだ。」
しばらくやりとりをした後
「わかった。テイクフリー。」
「え!?」
「ギフトフォー・ユー」
「いや、いやダメだダメだ。」(違うんだって。お金の問題じゃなくサイズの問題なんだ。)
「いいから、いいから持っていけ。」
お金を出しても受け取ってくれないし、そのまま流されて3JD分のマンサフを貰ってしまった。(そーいえばヨルダン人は一度言ったことは曲げないって聞いたけれど、これもそのうちの一つなんだろうか。)
品物を受け取り、またこのお店に来るよと伝え出て行こうとしたら先にその店員が他の店員に手を振って出て行く。
あら?
慌てて「あなたは店員じゃないのか!?」と聞いたら「違う。オレは客だ。」
なんだか、いろいろとすんません。
いやてっきり。
店員と同じ白いシャツだったしさ…。(この思い込みの強い性格は治らないなぁ。)
(お昼ご飯と夕ご飯も決まった。)